被災した宮城県岩沼市の沿岸部は、津波防災に役立つ「千年希望の丘」公園へと整備されます。
岩沼市沿岸部は、東日本大震災で8mの津波を受けました。「千年希望の丘全体構想」は、丘を15基それをつなぐ約10kmの盛り土に30万本の植樹をして「森の防潮堤」をつくるという計画です。津波がきた時の緊急避難丘になり、さらに威力を減衰させるという役割を担っています。

千年希望の丘・1号丘(高さ10m)
新たに造られた避難丘は、震災ガレキを活用して造られました。 「ガレキはゴミではありません。ひとりひとりの思い出の品々です。」そんな地元の切なる思いとともに、丘に埋められています。
コンクリート防潮堤の陸側に「森の防潮堤」をつくる、多重防災のまちづくり。
- 植樹日:2013年6月9日(日)
- 参加人数:4,000人
- 植樹本数:30,000本
- 樹種:17種
- 植樹面積:10,000㎡
- 使用瓦礫:4万t
- 参加者:倉木麻衣さん / 村尾信尚さん(日テレNEWS ZERO)/ 山岸舞彩さん / 桐谷美玲さん / デューク更家さん/ 高橋万里恵さん(東京FM)/ くまモン / 細川護煕理事長(元首相)/ 宮脇昭副理事長(植物生態学博士)他
東北の復興と未来のいのちが助かるようにとの願いを込めて、地元はもちろん、全国各地から植樹ボランティアが集まりました。北は北海道から南は宮崎県まで、本当に多くの方が「自分にもできることがあれば」と口を揃えて集まってくれました。この大きなパワーにより、3万本もの木は、たった2時間で植えられました。
『「森の防潮堤」は9千年先まで残る森』だと宮脇博士は言います。土地本来の樹種を混植することにより森は天然更新し、人の手で管理する必要がありません。

全国から4000人のボランティアが集まってくれました。

植樹祭に参加した地元の子どもたち

くまモンも植樹祭に駆けつけてくれました
植えた苗木は地元に自生する、土地本来の樹種17種類
東日本大震災後に宮脇昭博士により行われた調査では、土地本来の樹種で構成された自然林に近い森が大津波にも流れずに耐え、その背後にあるもの多くのものを守っていたということです。
反対に、例えば岩手県陸前高田の「高田松原」では1本の松を残してあとの約7万本の松が内陸へと流されました。耐えた松は「奇跡の1本松」と呼ばれ保存されています。流された木々は凶器にもなり家々を壊す2次災害が引き起こされました。このような調査と宮脇博士などの長年の経験に基づき「森の防潮堤」は造られます。

1号丘空撮・植樹の様子(写真提供:©読売新聞社)
15基の丘と丘をつなぐ「森の防潮堤」は高さ3mの盛り土がされ、その両脇のり面に植樹されます。樹高30〜50cm程度の苗木を1平米3本以上の密度で混植します。成長を促すこの方法により、20年ほどで立派な森へと育ちます。ちなみに、自然の力で極相林になるまでの期間はおよそ300年といわれています。

敷き藁を止める藁縄張り
それぞれの願いを込めて植樹しました。

参加者のTシャツにメッセージを書く宮脇昭博士

宮脇昭博士直筆メッセージ「岩沼から世界へいのちの森を」

願いが込められた木札「津波が来てもみんながたすかりますように」

木札に込められた願い「千年も万年もみんなのいのちを守ってね」

宮脇昭博士と植樹をする山岸舞彩さん

木札に込められた願い・桐谷美玲さん

木札に込められた願い

木札に込められた願い

願いが込められた木札

倉木麻衣さんの願いを込めた木札
その他の写真

宮城県岩沼市先年希望の丘・1号丘の頂上