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世界会議 IBD2025 にて、防災と生態系再生の取り組みを発表しました

世界中から駆けつけたMiyawaki Forest ファミリーの皆さん

2025年11月5日〜7日、タイ・バンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(QSNCC)にて開催された 「国際生物多様性会議2025(IBD2025)」 において、公益財団法人鎮守の森のプロジェクト(MORINO PROJECT)は参加し、関連プログラムに協力しました。

本会議は、マハー・チャクリ・シリントーン王女殿下の70歳のご生誕を記念して開催された国際会議で、生物多様性の研究・保全・再生をテーマに、世界各国の科学者、行政関係者、国際機関、企業、NGOが参加しました。
開会式には王女殿下ご自身がご臨席され、記念講演をお務めになり、展示会場もご視察されました。殿下のご研究と長年の環境保全活動に敬意を表する記念映像も上映され、タイ国内外から多くの参加者がその功績を称えました。

マハー・チャクリ・シリントーン王女殿下

記念講演をお務めになりました

なお、会議直前にシリキット王太后陛下が崩御されたことを受け、参加者には服喪の意を表すための黒い服装での出席が求められました。
鎮守の森のプロジェクト一同も深い哀悼の意を捧げ、王太后陛下のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

本会議の「セッション4:生物多様性と環境再生(Biodiversity and Environmental Rehabilitation)」では、 横浜国立大学 名誉教授であり、宮脇昭博士の共同研究者として50年以上にわたり潜在自然植生研究を牽引してきた藤原一繪教授 が招待基調講演(Invited Lecture 4-1)を務められました。

藤原一繪 横浜国立大学 名誉教授

また、当財団も同じく「セッション4」に選出され、日本の防災・減災の視点からの「いのちを守る森」づくりの取り組みを紹介しました。発表は、当財団の広報・渉外担当 佐野輝子が行いました。テーマは、
“Rebuilding Biodiversity on Tsunami-Devastated Land: A Decade of Miyawaki Forest Creation in Iwanuma and Minamisoma, Japan”。
東日本大震災の被災地で展開してきた「森の防潮堤プロジェクト」を中心に、潜在自然植生理論に基づく宮脇方式による森づくりが地域の防災・生態系回復に果たす役割を紹介しました。宮脇昭先生が晩年に取り組まれた重要な事業を、国際会議の場で世界へ共有できたことを大変光栄に思います。

広報・佐野輝子

 

動画:藤原一繪教授 & 広報 佐野輝子、発表の様子

同セッションでは、宮脇方式を深く理解し、長年研究に携わってきた各国の研究者による発表も行われました。

エルジーン・O・ボックス教授(米国ジョージア大学)が、「Adapting the Miyawaki Forest Methodology to Tropical and Other Climates」と題し、熱帯および多様な気候帯での適用と成果を報告。

エルジーン・O・ボックス教授(米国ジョージア大学)

シリン・カウライエード教授(タイ・チットラダー工科大学)が、「Biodiversity Restoration based on the Miyawaki Method and Ecosystem Benefits in Thailand」と題して、タイ国内の実践事例を発表しました。

シリン・カウライエード教授(タイ・チットラダー工科大学)

このセッションでは、日本から発信された宮脇方式が、各国の地域環境や文化に適応しながら多様に展開していることが示され、科学的かつ社会的意義の両面から高い評価を受けました。

鎮守の森のプロジェクト(MORINO PROJECT)は今後も、国内外の研究者や市民団体と連携し、宮脇方式による森づくりを通じて、気候変動の時代に求められる生物多様性の回復と防災の両立に関する知見を広く共有してまいります。

国際生物多様性会議2025(IBD2025)公式サイト:https://www.biodconference.org/

世界中から会議のために集まったMiyawaki Forest ファミリー。今回は、総勢25名でした。

公益財団法人 鎮守(ちんじゅ)の森のプロジェクト

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