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北マケドニア共和国「いのちを守る森づくり―宮脇方式国際シンポジウム」開催報告

北マケドニアの首都スコピエにて、宮脇方式の森林づくりに関する国際シンポジウム「いのちを守る森づくり―宮脇方式国際シンポジウム」が開催されました。本シンポジウムは、同国最大の国立大学である聖キリルと聖メトディウス大学にて行われ、宮脇方式に関心を寄せる研究者や学生など、多様な参加者約60名が集まりました。鎮守の森のプロジェクトは、海外ゲストとして、オンラインで「いのちを守る森」の理念やメッセージをスライド発表させていただきました。
当シンポジウムには、在北マケドニア日本国大使も参加され、森づくりを通じて、国際的な理解と友好が深まりました。

  • 「いのちを守る森づくり―宮脇方式国際シンポジウム」
  • 開催日:2025年4月15日(火)〜16日(水)
  • 開催地:北マケドニア共和国 スコピエ市
  • 会場:聖キリルと聖メトディウス大学(スコピエ)

【プログラム概要】(4月15日)

開会挨拶:
ニコラ・ニコロフ 教授(学部長)

基調講演:
藤原一繪 名誉教授(横浜国立大学)
宮脇方式の歴史と応用について概説。

招待講演:
エルジーン・オーエン・ボックス 名誉教授(ジョージア大学)
乾燥地における宮脇方式の適用可能性について。

海外ゲストによる発表(オンライン発表順):
佐野輝子(鎮守の森のプロジェクト 広報・渉外)
「鎮守の森のプロジェクトの視点から見た宮脇の森」と題し、東日本大震災を契機に始まった同プロジェクトの背景や全国での植樹活動、
特に岩沼市における10kmに及ぶ「森の防潮堤」づくりの事例を紹介しました。プロジェクトが目指す「いのちを守る森」の理念や、未来へのメッセージとしての森のあり方を発信しました。在北マケドニア日本国大使の河原節子大使も参加され、森を通じた友好関係が促進されました。

シリン・カウラアード 博士(チットララダ工科大学・タイ)
タイにおける宮脇方式の導入と成果を紹介。

能智元晴 氏(Midorization Project 代表)
ヨルダンでの宮脇方式による都市緑化の社会的インパクトと地域コミュニティの巻き込みについて発表。

浦田未央 氏(いのちの森2020)
通訳として参加。

【ワークショップ概要】(4月16日)

シンポジウム2日目には、大学構内の樹木園にて実地研修が行われ、宮脇方式による植樹を体験しました。

当日は、在北マケドニア日本国大使の河原節子大使も参加され、他の参加者とともにスコップを手に実際の植樹活動に加わりました。河原大使は、令和7年1月に着任され、日本政府の代表として、両国の交流・友好関係の増進に尽力されています。

在北マケドニア日本国大使の河原節子大使も参加。(写真中央)

今回のご参加は、日本発の森林再生手法である宮脇方式に対する北マケドニアでの関心の高まりと、両国の環境分野における協力の象徴とも言える場面となりました。実践的なワークショップを通じて、宮脇方式の手法や理念への理解が深まり、マケドニア国内での今後の展開について活発な意見交換が行われました。

まずは、土をほっこらと耕します。

マルチング作業

【まとめ】

本シンポジウムを通じて、宮脇方式の理念と技術が持つ国際的価値、地域社会とのつながり、そして自然災害への備えとしての可能性が再確認されました。日本発の知見が、各国の土壌・気候・文化に応じた形で展開されることにより、都市部でも「いのちを守る森」が広がっていくことが期待されます。

English

植樹前

植樹後

 

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